今頃になってではあるが、先月の「LIFE LOMO 2012」(LIFE展)で出展した、今回の作品をお見せしたい。

LIFE LOMO 2012 出展作品
今回は、2009年の初出展と同じ場所である、西武拝島線・西武立川駅を再撮影して、出展させていただいた。上段では、昨年の個展「maboroshi」と同様に、過去と現在を左右に突き合わせ、下段で今の西武立川駅をL版のスナップで出している。

西武立川駅という所は、拝島線の終点・拝島の1つ手前にある駅だが、ここの駅には独特な特徴がある。…駅前(現在の南口)に広がる空き地が、ほとんど手つかずのまま何十年も残っている事だ。
30年ほど前(5・6歳頃)の記憶でも、南側に広がる空き地はその頃からあったし、昨年3月に新しい駅舎がオープンした後も、あまり変わっていないという印象だ。1日の乗降客が7000人台と、拝島線の他の駅と較べても、少ない数のまま推移している。(Wikipediaより)

 

※2012-03-14 加筆:
そんな西武立川駅前にも、ついに開発が入ることになったらしい。今年中には駅前広場が整備され、2014年までにスーパーや住宅地ができるんだとか。(西武立川発カッチャリ日記より)

LIFE LOMO 2009 出展作品

2008年11月、SMENA35を持って、ここの独特な風景をフイルム3本に収めていた。この時の写真は翌年、世田谷233主催の「LIFE展」への初出展作品になった。駅前にあるのは、空と鉄塔と枯れ草だけ…。30年近く経っても変わらない世界に驚きながら、撮っていたものだ。
その時に感じたのが「日常の中の非日常」。普段、この駅を使っているであろう人たちにとっては、これが日常の世界なのだろうけど、自分のように外地の人間にとっては感じたことのない風景のように見えてくる。まるで、非日常の世界に引き込まれたかのような錯覚をおぼえるだろう。

LIFE LOMO 2012 出展作品/上半分 LIFE LOMO 2012 出展作品/下半分

あれから3年。その西武立川駅が昨年になって新しく建て変わった事をWeb上で知り、10月末から11月末にかけて、ほぼ毎週末かけてこの場所に足を運んでいた。最初の頃は天候に恵まれず、展示した際の写真が撮れたのは11月も後半になってからのことだった。

六切りワイドで出した、上段(左側)の左右の写真は、どちらも同じ西武立川駅・南口の前で撮ったもの。左は、最初に撮った2008年当時の写真。右は、建て変わった後の昨年のもの。この駅の「大変身」は、自分にとって予想外だった。
下段のL版9枚は、現在の西武立川駅を撮ったスナップで固めている。駅が建て替わったとはいえ、未開発の荒地がいまだに広がっているところには、つくづく驚かされたものだ。あの頃と違って、道が付け替わったり、工事中の箇所も目立ったりして、以前とは同じアングルでは撮れない所も出てきているが、全体的には3年前の風景とあまり変わってはいないという印象だった。ちなみに下段・中央の写真は、新しくできた北口の車寄せ前で夕日を捉えたもの。それ以外は、以前から撮ってきた現在の南口の風景。

LIFE LOMO 2012/西武立川駅南口・看板 LIFE LOMO 2012/西武立川駅南口・夕焼けを受けて

初出展の時は、とにかく青空の印象が強かったが、今回の場合は新しい駅のイメージからか、夕暮れ時に近い時間帯を、好んで選んだと云ってもいいだろう。これは、枯れ草にアースカラーの駅舎だと、同じシチュエーションでは駅の方が余計に目立たなくなるように感じたからだ。それで、夕焼けの時間帯を選んで変化を付けようと、考えるようにした。

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【作品データ】
カメラ:SMENA35
撮影日:2008-11-30(上段・左)、2011-11-20・26(それ以外)
プリント:2011-12 東伏見・西村カメラ