LIFE LOMO 2011 出展作品8日にスタートした、Lomographyカメラ限定の写真展「LIFE LOMO 2011」もあっという間に、30日の最終日。この日もゆるくビールを飲みつつ、クロージングを迎えた。
改めて全員の作品を観ると、改めてそれぞれの「LIFE」が感じ取れる気がした。月並みな言葉だけど…。その切り取り方は誰しも違うけど、それぞれの作品で共通するのは、どれもが生活の中で見てきたものということかな…。

今回、自分が出展した作品は、これまでに自分がSMENA35で撮影したフイルムの中から2点をセレクトして、四切ワイド(A3版より一回り小さい)に仕上げてもらったもの。以前も書いたとおり、「ON」と「OFF」…仕事の日と休みの日、或いは日常と非日常をイメージして、あえて脈絡のなさそうな組み合わせでチャレンジしてみた。上の電車の写真は「ON」、そして下の多重露光が「OFF」のイメージ。

LIFE LOMO 2011 出展作品「ON」

「ON」の写真は、一昨年4月に西武池袋線の池袋駅で、整列乗車のタイミングを見てバルブ撮りした。仕事を終えて電車で家に帰る…多くの人にとっては、まさに当たり前の光景だけど、SMENA35はそこを黄色味がかった独特な色合いで切り取ってくれた。
この写真、実はだいぶイレギュラーな時に撮ったものだ。写っているのは、普段池袋線の池袋駅へは来ないはずのメトロ有楽町線の電車。この時は、池袋線で起こった事故から運転再開したばかりで、メトロには戻らないまま西武線の列車として運転されていたもの。 …しかも、今では見られなくなった「黄色い帯」の有楽町線。実物の車両は、1年経って副都心線の茶帯に巻き変えて走っている。

LIFE LOMO 2011 出展作品「OFF」

一方の「OFF」は、池袋線の遥か先・秩父の芝桜を昨年4月に撮ったものだが、地面いっぱいに咲いた赤い芝桜を撮る前に、わざと空に自分の手をかざして重ね撮りしている。こうすることで、手をかざした暗い部分だけ鮮やかな芝桜が残り、空と被った部分が独特な色合いを見せてくれる。
…実は一昨年6月、東京ミッドタウンで富士フイルムの「PHOTO IS – 10000人の写真展」で観た、ある知り合いの写真への、自分なりのリスペクトとして撮ったもの。東京タワーを手で包み込むようにして重ね撮りされたその写真は、自分にとってはかなり新鮮に写った。そして後々で本人から「手のほうを先に撮った」と聞いてさらに驚き。…そこからインスパイアを得て撮ったのが、この芝桜だった。

LIFE LOMO 2011 DM SMENA35

一見、脈絡の無いように見えるとは思うが、日々の生活でいう「日常と非日常」、そして「日常から非日常」へと変わるイメージを自分なりに組み合わせて、今回のLIFE展の作品として出させていただいた。

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【作品データ】
カメラ:SMENA35
フイルム:FUJI PRO800Z
撮影日・撮影場所:
「ON」…2009-04-03 西武池袋線・池袋駅3番ホーム
「OFF」…2010-04-24 秩父・羊山公園
プリント:2010-12 戸越銀座フォトカノン